pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

東京バレエ団とベジャールの『ザ・カブキ』

以前、討ち入りのシーンをテレビで見たことがあって、一度全幕で観たいな~と思っていたカブキ。

しかし、忠臣蔵という題材のせいか、年末の上演が多く、雪深い北陸在の私には…なかなか観ること叶わず。・゜・(ノД`)・゜・。

しかし、今年は追悼記念とかなんとか、秋の公演となり、またお休みのタイミングが柄本弾主演の日となり、行ってきましたψ(`∇´)ψ。

…結論から言って、思うところ多いステージでしたが。
新国立劇場で観るのは初めてでしたが、中劇場はこの演目に対し狭いように思いました。

初見の演目はストーリーを知らないとキツイので、最初にプログラムを買いました。
しかし、あんまり忠臣蔵が好きではないのと、柄本氏以外は知らないダンサーだったので、読んでも頭に入らない…。

と、のっけから不安でしたが、日本人ならではのサブリミナルで、実際始まってみればなんとかわかる。

最初始まって現代のトーキョー、とのことでしたが、若者の姿がどうみても80年代のヤンキー。
と思っていたら、やはり初演が1980年代だった。

あとあと、主要登場人物たちの時代衣装への早着替えに向いた衣装だったんだけど、今思えば、80年代のファッションて特徴的だったのね。


などと、余計なことを考えてしまうし、師直役の木村氏なんかは、素でその筋のあんちゃんにみえてしまったので、ここはアップデートして欲しかったΣ(-᷅_-᷄๑)

現代があまりコンテンポラリーに感じられなかったので、タイムトリップが2回生じ、このまんまなら現代のパートは不要な気がしました。
初演のときは、導入として機能してたんでしょうけど…

そのせいか、前半は楽しみにしていた柄本氏があんまり際立ってみえず、別立てで忠臣蔵を観てるような気に。

これは、なんというか、日本のカンパニーがこの演目を日本で演じことの怖いところでしょうか。
というのも、バレエ関係なく、日本人ならなんとなく観れてしまうところがあるのよ。

途中ふと、これはバレエ演目なのか、スペクタクルな出し物なのか、わからなくなりそうになりました(°_°)。

ベジャールは、普段、音楽に振りを付けるタイプのコレオグラファーだと思うのですが、『カブキ』はどうなんだろう。
音楽はむしろオリジナルのような気がするので、いつものベジャールメソッドではよめないのか…、とか。

これはプログラムに対するふまんなのだけど、振り付けや演目について、解説が欲しかった。
あなたたちの思い出話なんて、正直どうでもいいのです。
(追悼公演だから、しょうがないのか)

好意的に観て、ベジャールに皮相的なエキゾチズムはないと思いたいのだけれど…、ときどき19世紀バレエをみているような気になったのは、ダンサーたちかバレエ演目の自覚を中座して、忠臣蔵を日本人として演じるというほうに流れてしまったからなのか…、と思ったり。

討ち入りのとこはそれなりに盛り上がるんだけど、そこでようやく、舞踊らしく。
ただ、主役と群舞の差がありすぎて、温度差すら感じます。

それにしても、顔世は…、見せ場が少なくて、ヒロインとしてはおかるこほうがよかったな。

などと、思ったことはかなり複雑。
ベストなところで、この演目の真価を観てみたいもこです。