pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

能登半島

2023年 珠洲外湾の海

 

1月1日に起きた能登半島地震の被災者の皆様に、日々の暮らしが戻りますように。

 

私自身は隣県西部にいて地震にあい、震度5強の揺れを感じました。昨日現在もまだ余震が続いており、当県としては異常事態。

幸い、家族に大きな被害はありませんでしたが、同じ市内でも海沿いの街は被害が大きかったようです。

 

能登半島の付け根にある町に暮らしているので、小さい頃は夏休みの家族旅行にもよく行き、大人になってからは、忙しい最中(そしてコロナの行動制限下)にちょっとした日常を忘れられる日帰りドライブコースとして、非常になじみ深い地域。

しかし隣県とはいえ、奥能登は遠く、高速(無料道路ですが)は穴水が終点で、輪島へは山地を抜けるしか出る道はありません。

 

2023年の9月には、6年ぶりに珠洲芸術祭へ日帰りドライブに行き、前回2017年とは逆回りコース、外浦へ出て、半島ほぼ先端の禄剛崎へ到達、富山湾側にぐるっと戻って帰る旅程で巡りました。

 

能登は海、というイメージがあるかもしれませんが、実際に行くとほぼ山地で、海沿いの249号線沿いにわずかに建物があるもすぐに山が迫っており、小さな集落が時折あるようなところです。

まさに、「里山」という地域。

 

2023年は主に海沿いを巡ったため、あまり内部を横断しませんでしたが、前回はこうした山地側の集落にある作品を見るために、何ヶ所か山を横断しました。

 

今、各地区の避難所の物資や情報が寸断されて、全体把握が遅いと言われているのも、さもありなん、という地形だと思います。

 

冒頭の写真は、最初に立ち寄った、塩田千春作品のある旧保育所のある、高台から撮ったもの。

5月にも地震があった後でしたが、穏やかな港の風景。もしかしたら、現在は地形が変わっているかもしれませんし、津波の被害は逃れ得ない海との近さの民家ですが、すぐに山が迫った地形であることが、写真からおわかりでしょうか。

 

曽々木海岸のそばに「今新」というお食事処があって、当時ちょうどこの辺りでも土砂くずれの修復工事をしており、その交互通行の長い信号に引っかかってしまい、前回の訪問時に道中飲食店が少ないことに苦労したため、車を止めて立ち寄りました。

ご年配の夫婦が営むお店でしたが、ここも本当に海が近いので、津波被害が心配なところ。

 

禄剛崎近くの作品

 

「最果て」というのが文字通り体感できる、禄剛崎

近くに狼煙の道の駅があります。

女ひとりでドライブしていると、一本道の能登半島では旅人によるセクハラ?にあうこともあり、嫌な思い出ができたところですが、ここのお店は高齢の女性が働いておられました。

 

ここで折り返し15時頃、このさきもコンビニはあまりないので、ドライブ中の命を繋ぐために、おばあさんが不慣れな手つきで作ってくれた豆乳ソフトをおやつに食べました。

 

旧正院駅

17時に閉まってしまうので、2023年は折り返しの狼煙あたりから飛ばし気味の観覧になり、前回行った珠洲の中心地はあまり丁寧に巡れず、2回目に別日に行こうかと思ったら、しばらく能越自動車道が工事通行止めになってしまい、再訪できず。

最後は正院駅で終わりました。

 

外浦ののんびりした雰囲気に比べ、中心街のある内浦(富山湾側)は、2017年訪問時に驚いたことですが、港町として昭和期は活気があった町と思われる面影があります。

 

蛸島エリアの民家

そのため、民家を利用したインスタレーションには、びっくりするほど立派な輪島塗の祝い食器が多用されており、私のような中年にはそれがとても哀しい現実に映りました。

 

この辺りは住宅が多く、それでも当時、また5月の地震後に貼られたと思われる赤い警告の紙が貼られたままの家が残っていました。

 

今年は暖冬といわれますが、1月は大寒に向けて降雪が続く北陸地方

能登の人々の現状がとても気がかりです。