pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

『ボレロ』

最近、KAPITALの福箱効果でブログ閲覧数が急上昇したみたい。
そして、私は12日には予定があって…、今年(来年)は買えず。
けっこう残念。

さて。

12日はほんとうはいろいろやりたいことがあって、でも断念せざるを得なかったのがこれですよ。
ギエムさん。
100年に1人、というプリマ、シルヴィ・ギエム姐さんのアデュー公演が12日だったもの。

振り返って、私のギエム初見は2001年の模様。
東京バレエ団と組んだボレロ・ツアーで、このときのプログラムはありました。
今回ケチって、うっかりプログラムを買いませんでしたが、けっこう端折った回も多く、買わなかったことを後悔。
おぼろげに、どうやら4回観ているような気がします。

ギエム姐さんは結構地方公演にも積極的に来てくださるので、ボレロのほかにも『マルグリットとアルマン』のクラシック演目も地元でみる機会がありました。
全幕ものの地方巡回も少なくなった昨今は、実験的演目のため(『エオンナガタ』はよかった)遠征もしました。

案外感動と無感動を繰り返すギエム姐さんの公演でしたが、やっぱり、今まで当たり前のように観れた人が引退するのはさみしいなぁ…。
12日の公演の『ボレロ』は、2011年の鬼気迫る感動(この年は、東日本大震災の慰問ツアー)ほど感じるものがなく、その前の2005年ころ?の感動薄なボレロ感に近かったけど…(もちろん、衰えとかは全然感じないのですが)、会場全体が感動している感じがぶわっときて(オールスタンディング・オベーションだった)、そっちにやられました。

その後家に帰って、ギエムのクラシック動画にあたる。
ギエムのクラシックには先入観があって、2005年ころのロイヤル公演で『マノン』がギエムの日に観れそうだったのだけれど、当時どうしてもみておきたかったプリマ、ダーシ―・バッセルを優先してしまい、みなかったことがいま悔やまれます。
古典(&パートナーシップ)でどんな演技をみせてくれたのか、実感しておきたかったなぁ…。

断片的な画像をみていると、2013年の『カルメン』でみたような、ギエムがギエムにしか見えない、というような、なんともいえない(おかしい)感じがすることもありますが、ローラン・イレールやパトリック・デュポンなど、1980~90年代には名優の男性ダンサーたちも多く、コールドの層も厚かった時代。
いまさら、ですが、ギエムのクラシックをみたい~。
DVD化されないかなぁ…。

と、なんだか話がそれまして。

個人的に、ボレロ神話には少し抵抗があるのですが、ベジャールもなくなった今、この先どうなる演目なのかなぁ、と気にになります。
以前、You tubeでプリ様やマリシア・ハイデの上演をみてあれこれ書いてますが、今回、2002年のベジャール・バレエ団の動画も観ることもできました。


私的、今のベジャール・バレエ団のジル・ロマンのミューズ、エリザベット・ロスとオクタヴィオ・スタンリーのダブル・キャストを合成したりと、全体がよくみえなくて不満な映像ですが…。

ここで思ったこと。

ギエムほど日本人には知名度がないかもしれませんが、エリザベット・ロスもすごく好きなダンサーです。
美人だし、存在感も安定感もスゴイ。
近年のベジャール・バレエ団(そして晩年のベジャール)の、真のミューズだなぁ、と思うのですが。

ロスはロス特有のコケットさもあるけれど、ここで思ったのは、ギエムに似ている。
なんというか、女性の「メロディ」はニュートラル過ぎてツマンナイ。
むしろ、スタンリーのような男性ダンサーのほうが、肉体を感じるというか、色っぽさが出ています。

ジョルジュ・ドンもそうだけど、男性の「よく合った」ダンサーのほうが、熱気というか血というか肉というか、どういうのを感じる演目だな~、と。
徐々に盛り上がる音楽と高揚感、は、男性ダンサーのほうがよく踊れているような(あるいは、プリ様)。

本来「メロディ」は女性を想定していると聞いたことがあり、ドンのようなダンサーのほうがむしろ特異の存在ですが、改めて男性ダンサーでみてみたいです。
が、ベジャール亡き後、本当にこの演目はどうなっていくのか…。
今のダンサーなら、誰が踊れるというのか…。
気になる今日この頃です。