そうか、と思ったけれど、どうやらやはり1年ぶりのバレエ舞台鑑賞。
忙しかったのもあったけど、今年はみたい公演が少なかった…なぁ。
どうも、前回は2010年公演以来のようで、意外にも7年のブランク。
ベジャールも亡くなった時はショックだったけど、何だかんだもう10年もたつのね…。
演目は、どうも選択肢が少なく、どうせならジル・ロマンの振付がいいような気がしたけれど、ジルの持ち味は前回思うところもあったので、『魔笛』を選ぶ。
『魔笛』は2004年公演で一度見ているのだけれど、当時は『魔笛』自体の理解が足りなくて、勝手に「魔的」を想像していたら案外明るい舞台だったのに猫パンチ状態、でもあったので、ちゃんと魔笛を知ったうえでの鑑賞、をテーマに出発。
さて。
幕が上がって、意外と覚えていないことがまた発覚。
何だかんだ、13年ぶりだし。
ベジャールはほんと、あまり映像化されないし…、見直しは舞台上でしかできないのだから。
なんとなく、昨年の『歌舞伎』や『ロミオとジュリエット』、はてまた『火の鳥』のような、現代の若者群像(※ただし、初演からもう何十年経っているものもあるので、コンテンポラリーかどうかは…)から始まる。
70年から80年のベジャールの気分て、そうだったのかな…。
最初にサインの上で寝ていたのがタミーノ?と思ったけど、弁士でした。
そうそう、語りがいるのよねぇ、ベジャールは。
2004年の弁士は、ジル・ロマンじゃなくてがっかり、という記憶しかありませんが、今回のマッティア・ガリオットという人はちょうどいい存在感でよかったです。
最初いなかったタミーノはガブリエル・アレナス・ルイス。いかにも王子様というのがベジャール・バレエ団にもいるのね~、という印象。まだ20代なのねぇ。
際立った個人というよりは、多様な国(人種)から集まりつつ、何かしら全体でひとつの舞台をつくることはできる、という不思議なカンパニーがこのベジャール・バレエ団だと思うのですが、そういうわけで、というわけでもなく、ただすっかり世代が変わったので知らない人ばかり。
唯一わかるのがエリザベット・ロス様とジュリアン・ファブロー(と大貫真幹)で、ロス様が夜の女王なのは当然として、ファブローがザラストロかーと、すっかりベテラン配役なのにしみじみしましたが、どうやら2004年にもザラストロをやっていたらしい。
それにしても、ロス様がまだ健在だったのはうれしい。
50にしてギエム姐さんが舞台を去った今(そして本当に潔く、何も聞かなくなった)、唯一無二の存在感を見せてくれるプリマはロス様しかいない。
とまあ、それはよいとして。
魔笛は冷静にみれば女性に敵意のある描写が気になるところですが、舞台としてはやはり楽しい。
わかりやすさと、安心感。これにつきますね。
知らない人たち、とはいえ、みんながみんなやはり適役に配されていて、統一感のある仕上がりだったと思います。
それにしても、知っているようでわからない『魔笛』。
魔法の鈴の効用はわかるのだけど、「魔笛」は何をもたらすものだったのかがよくわかりません。
と、「悪」の夜の女王からもたらされた魔法の道具が、「善」のザラストロにも否定されずそのまま使用されるわけが…、わかりません。これはベジャールとあんまり関係ありませんが。
なんだか久しぶりのバレエで、振付鑑賞、ダンス鑑賞としてとの意見がまとまりませんが。
もっと舞台をみたいな~、ということで締め。