pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

ギエム姐さん

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今年は暖冬。
ということで、年末も正月もぼんやりしていましたが、本当にぶれない二十四節気大寒
まったく、毎年感心してしまいますわ。
先週の今日は全然積雪がなかったのに、1週間であっという間にいつも通りの冬景色。

週末の寒波は思ったよりはフツー(※基本、雪国なので)でしたが、今季初のパウダースノー。
幸い、休みだったので、一歩も家を出ずにやり過ごしました。
明日がいやだ。

というわけで、引きこもってDVDみてました。

年末に引退したギエム姐さん。
前にも書いたけど、なにが心残りかというと、クラシックのギエムを観たことがない、ということと、意外とたくさんは観ていないということ。
だいたいは2000~2015年までのフォローで、年に一回のペース。
地方公演でみることが多かったので、一番多いのが『ボレロ』、ギリギリクラシックなのが、『マルグリットとアルマン』『三人姉妹』。
ギエムのクラシックを観たことがない、というのもなんだか偏見っぽくて、今さら見たいなあ、と思っても無理な話。
ベジャールもそうだけど、完璧主義の方はあんまり映像で残すというのは好きではないのか、ギエムは意外と映像が残っていません。
(近年のモダンはいくつか残しているけど)

なので、後悔先に立たず(というか、自分の時代が追い付いていない)の今日この頃。
やむなく?、今まであんまり食指のわかなかったドキュメンタリーで補うことにしました。

ギエムのドキュメンタリーは、だいたい1990年代のが多いです。
先に観たのが、『エヴィダンシア』。ギエムのドキュメンタリー、というよりギエムが制作したドキュメンタリー。
晩年?もアクラム・カーンやルパージュなど、振付家との共作を積極的に行った、という姐さんの傾向は、この時すでにあったんだなぁ、と思う仕上がり。
ギエムが出ているショート・プログラムもあるけれど、『エオンナガタ』でルパージュを躍らせたように?、ウィリアム・フォーサイスを躍らせているところに笑。
自分だけが主役じゃなくて、とにかく才能と才能をぶつけあってスパークさせる、というのがギエムらしい。

マッツ・エクの『SMOKE』に出ているニクラウス・エクは、前に観たエク版『ジュリエットとロミオ』の謎めいた(笑)ヴェローナ公だ!と、妙なところで感じ入る。
やはり、マッツ・エクのお兄さんだそうです。

20年も前の映像ですが、全然古くないし、やはり、ギエムはおしゃれ。スタイルが全然古びない。
そしてやはり、足が…。ギエムが「ギエムにしか見えない」のはやはり足のせいだと思う。

もう一つは1993年のドキュメンタリーで、インタビューにも応じています。
晩年?のギエム・ウオッチャーの私には、あまりギエムが「マドモゼアル・ノン」というイメージがないんだけど、ほぼそういわれていた時代の映像にもかかわらず、やはりそんな感じはしない、なぁ。

これはクラシックの映像もちょっと入っていて、Youtubeでみた映像よりはぐっと、よい感じの踊りにみえました。
ロイヤル時代によくパートナーを組んでいたジョナサン・コープとも、ちゃんとあっているし。

意外にもマクミランとは合わなかったそうです。
クラシックのなかでも、マクミランの文学バレエとは合ってそうなんだけど。
でも、『マノン』はすごく合っているようにみえたので、やはり2005年ころの来日公演は観とけばよかった…、とまた後悔。全幕映像、出ないかな…。
あと、『シシィ』も観たい。

当時、30歳くらいのギエム。
すでに大スターだったし(オペラ座のエトワールに任命されたのが19歳)、このころは40歳でも大台、30歳になるとそろそろ…、といわれていたような時代ですが、興味深いことに、一人の批評家が「今がギエムの頂点であるとは思わない」といっており、まさにそれは正しいなぁ、と。
ただし、時代的なものなのか、「あと5年、10年、あるいはもっと長く」と小出しに言ってます。
実際には、あと20年はずっと第一線、常に前進だったものね。
なんというか、このときも引退するときも、ギエムはあまり変わっていない、というのが私の印象。

ほんとうに、こんなダンサーはもう二人と出ないでしょうね…。