pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

ヌレエフ版『ラ・バヤデール』

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ヌレエフが亡くなって翌年、1994年のパリ・オペラ座公演。
ソロルはローラン・イレール、ニキヤがイザベル・ゲラン、ガムザッティがエリザベット・プラテル。
他、まだエトワールでないアニエス・ルテステュやウィルフリート・ロモリが出ています。

オペラ座の衣装はロイヤルよりゴージャス度が高く、インドというかインドネシア、または東南アジアのような、より空想的なエキゾチック・オリエントの感じ。
大僧正はチベット僧か、バリの舞踊手みたい。
カラリングも、なんというかパリ・シック。

ヌレエフ版とはいいながら、あまり独特なところはなくて、どちらかというと2000年に初見のキーロフの舞台とほぼ同じだなぁ、と思いました。
ヌレエフならもう少しソロルの内面を掘り下げた描写でもいいのじゃないか、と思うのですが´д` ;

ゲランもプラテルも、とにかく美しい´д` ;
ともにタイプは違って、ゲランは確かに少し浮き世離れ系、プラテルのガムザッティは気が強いタイプではなくて、でもいざとなったら自分の思い通りに事を動かすしたたかなお嬢さんタイプ。
やっぱり、ガムザッティはニキヤと同じ力量がないと、「バヤデール」がダブルヒロインの物語にみえないのだなぁ´д` ;。
(キーロフでは、ロパートキナのニキヤに対し、ガムザッティはソリストだった)

ヌレエフ版は影の王国で終わるバージョンですが、この場合どこでブロンズ・アイドルが出るんだろう、と思ったら、2幕の結婚式だった。
3幕完結版のほうが、気のせいかマカロワ版より結婚式がゴージャスで、ソロルが象に乗ってたり、インコの踊りや太鼓の踊りがあって、キーロフでみた華やかさを思い出し、「そうそう、これみたよ~」などと一人感じ入り、これはこれで楽しかったです。

大僧正は装飾的(動きがピラミッドの壁画みたい)過ぎて、個人的にはより人間臭いロイヤル版のほうが好きだなぁ。
あと、こちらではパパりんのラジャが毒蛇を仕込んだようにみえます。
そして、これまたどうでもいいことですが、影の王国のソロルの冠が、幽霊の三角頭巾みたいにみえて…笑えた´д` ;

なんとなく、パリ人がヌレエフ(=ロシア)を偲んだ夕べ、という感じでしたが、ヌレエフ世代が完全に引退した今日のパリでは、もはや演じられなくなりそうな演目ですなぁ´д` ;。

ロシアを偲んで、私も久しぶりに「バヤデール」を実見したいなぁ、と思いました。