pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

レイモンド・カーヴァー『ビギナーズ』と編集。

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まだ行けてませんが、ホッパーはみたいと思う「モダン・アート、アメリカン」。
私が好きな、「乾いたアメリカ」を感じさせる画家です。

同じく、「乾いたアメリカ」味が好きなレイモンド・カーヴァー
一時は手に入りにくかった訳本も、いまはお手軽に買えます。
なので、もう読むものはないね~(詩はあまり読む気がしない)、と思っていた最後、『ビギナーズ』が出て衝撃。
なんと、これまで読んできたカーヴァーは、ほとんどが剛腕編集者によって削られ詰められてできたものだったとか。
不思議なドライ感はそのせいだったのか…、などと思うと、ややショック。
私の場合、さらに翻訳で読んでいるわけですが(^^;)。

『ビギナーズ』に掲載されている作品は、ものによっては編集の手が入っているほが冗漫すぎずよいな~と思うもの(「ささやかだれけど、役にたつこと」)などもありますが、「愛について語るときに我々の語ること」なんかは、タイトルの意味深なわりにはオリジナル版「ビギナーズ」のほうが断然いい。
「愛~」は実はあまり覚えていなかったのだけれど、あらためて読み直してみると、「ビギナーズ」のあとでは何がなんだかさっぱりわかりません。
ちょっとした気もちのすれ違いや、些細な自己中心さからは逃れられない人間の性のようなもの、何気ない描写は「ビギナーズ」の細かいエピソードを抜いては活きませぬ。

一度は読んでいるので(忘れていたのもあるが…)、新鮮ではないけれど、編集とは…、オリジナルとは…などと考えてみた一冊。