4年ぶりのノイマイヤー。クランコの弟子たちに個人的に興味をもっていましたが、前回みたのは演目が悪かったのか(チャイコフスキー「眠り」)、実際はどうなんだろ~、と最近は疑っていました(^_^;)。
マリシア・ハイデのために振り付けたという有名な「椿姫」が今回の来日で上演されますが、ノイマイヤーに限らず、アルマンにイライラするだろうと思ったので(ハイデのビデオもみたことあるし)、消極的な選択肢で「人魚姫」をみることにしました。
コンテンポラリーなコレオグラファーはコンテンポラリーなものでみたいな~、というのが最近の気分で、アンデルセン童話はなんだかなあ(ノイマイヤーの作品としては新作なのですが)、と最後までしぶしぶだったのですが…、実際には素晴らしかったデス。
少女趣味かな?というのが一番気になっていたのですが、ぐっと洗練された振付で、オリジナルの音楽とダンサーの強靭な身体の表現で、海の底の雰囲気がそのままに感じられます。
(↑背筋力がかなり要りそうです)
ベジャールだったかチャイコフスキーだったか忘れてましたが(あるいはラトマンスキーかプロコィエフ)、「音楽には魔法が必要」といった人がいましたが、この「人魚姫」にも魔法を感じました。
冒頭から語り手に詩人が登場し(あくまでも言葉ではなくダンスで語る)、感情移入のしやすい構成になっています。
音楽もダンスも、暗さ/明るさがうまく組み合されており、テンポよく舞台にひきこまれていきます。
人魚もちょっと奇態で、海の底の世界ではそれが異界の神々しさのようにも感じられます。それが、恋のために犠牲を払って陸に上がってからは、不器用(不適合?)で痛々しいものに。対照的に、王子がすごく楽天的に描かれるので、ますます悲劇性が高まります(不思議と王子に腹はたちませんでした)。
シルヴィア・アッツォーニの演技力もすごい。
今回貴重な?体験だったのが、テルミンの生演奏。
現実にいまも演奏されているとは知りませんでした(^_^;)。
ところで、「眠り」でいうならカラボスのような存在の魔法使い、出てきた瞬間、「歌舞伎か!」と思ったのですが、やはり日本の伝統芸能の印象を採り入れているそうな。
魔法使い役のオットー・ブベニチェクは昨年の夏に「エトワールガラ」でみたイリの双子の兄弟で、イリのほうも「頼れるアニキ感」がありましたが、同様に存在感が。
というわけで?、久しぶりに満足の高い全幕モノの鑑賞となりました。満足~V(^-^)V。