pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

「紅楼夢」

風邪ひきました~(T.T)。
いつもの自分のひき方と違って、かつ、しつこい。
のどが痛いな~と思った日にウィスキー飲んどけばよかったのか…?

そういうわけで、引きこもったついで、買っておいて長らく放ってあった「紅楼夢」を読んでみました。
全12巻ある長いお話。
中国文学といえばどちらかというと漢詩や故事のほうがなじみがあって、口語文学はどうなの?という思いもあり、有名な小説ですが、かなり億劫になっていました。

中国4000年の歴史、というけれど、日本以上に時代のブレが大きく、異民族文化を吸収した文化。
皆さんの中国のイメージってどんなもの?
私は古く漢代とか、美術なら宋代までの、ストイックなイメージ。
この「紅楼夢」は成立時期が清朝盛期なので、↑上はまったくあてはまりません。
北方民族の知覚の鋭さがそのまんま反映された清代の工芸品は私にしてみればかなり「世紀末的」な感じがするんですけど、や~、同じくらい、微にいり細にいりの美的感覚が働いているように感じました。
私には絶対描出できない(^^;)、女仙郷だわ~。
(自分はどうも道教的世界観が理解できないらしい)

よく日本のほうが古い中国の美術を保っているといわれますが、なるほど。
中国人は古いものをあっさり捨てて新しいものに前向きだとはよくいいますよね(たとえば、胡同を壊して新しい建築をつくるとか)。
中国の伝統的風俗を知りたいと思ったのですが、いまとなっては、清朝時代(=異民族王朝)のエッセンスを抜くのが必ずしも「伝統的な中国像」とはならないのかなあと、妙なところで感じた次第です。

あ、あまり本筋に触れてませんね(^^;)。

小説は以外と読めることが判明しましたが、とくに最初がなかなかとっかかりにくい(主人公の周りから話が始まるので)のと、登場人物が多い(日本人には名前が覚えにくい。みんな親戚だし)というのが難。

印象として、「源氏物語」に似ています。
ただ、中国人にとって「源氏物語」は「紅楼夢」に比べると地味すぎて詰まんないそうです。妙に納得。

まだ1巻を読んだだけだし、2から12巻まで、手に入りにくいから、続きを読むか迷ってますけど…。
結末はわかってますしねぇ。