pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

ふたつの「レクイエム」

ちょっと気になることがあり、「レクイエム」のCDを買いました。
ふつう、日本人(ただし、クリスチャンは別)は「レクイエム」というと何を連想するんだろう?

私の場合、ずっと暗いイメージがありました。
昔何かで読んだ、モーツァルトのエピソード。
作曲家の晩年、見知らぬ男からの訪問を受けてつくられという、謎めいた話は有名ですよね。
それからもうひとつ。日本語で書くと「鎮魂歌」。
↑なんとなく~、使者のあらぶる魂を鎮めるというのが日本人らしい語感ですよね。
菅原道真の話を思い出します。

それはさておき、そんなイメージを抱きながら実際にモーツァルトをきくと、死者を送るための祝福の歌だな~という感じで、やはり誤解があったなぁと思いました。

余談ですが、実際に聴いた後には、日本語のエンターテイメント小説にありそうな「○○たちの鎮魂歌(ルビでレクイエム)」というタイトルはどうなのかな~と思ってしまいますね(^^;)。

それからもうひとつ、武満徹の「レクイエム」。
こちらはレクイエム=死者を悼む悲しみという、従来私が抱いていたイメージに一致します。
武満の場合、伝統的なレクイエムの作法ではないと、聞いたような気もします。

どちらがいいとか悪いとか、正しいとか間違っているとかではなくて、キリスト教と日本人の死生観の違いを感じだ次第です。