pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

カエルの弟子は孵る?

先週(今週?)、ジル・ロマン率いるモーリス・ベジャール・バレエ団の公演へ行ってきました。
今回は「火の鳥」をやるとのことで、東京公演へぜひ行きたく。

いつもながらに、イメージするベジャール芸術よりも実際のベジャール芸術はあっけらかんとしていて、明るい。
すべては「春の祭典」の印象のせいなんですけどね。
火の鳥」が初期の振付(1970年)といっていいのかわかりませんが。
やはりベジャールは音楽の解釈がうまい振付家、というのが評価のおとしどころなんでしょうかネ。

ベジャールのいうとおり、前衛芸術家としてあんなに名高い?ストラヴィンスキーの「火の鳥」なのに、オリジナルのバレエ・リュス版は、偶然火の鳥を捕まえた王子が何の苦労もなく魔王を倒して(火の鳥の力を借りて)お姫様とハッピーエンド、というもので、確かにひどい話。
そのベジャールが再解釈するストラヴィンスキーは、私たちが知っている火の鳥のイメージにより近く、火の中に身を投げておのれ再生する火の鳥=フェニックスというストーリー。
よくあらすじを読まないで観てたら、軍服(自由の闘士、といったところ?)をいきなり脱ぎ捨てて火の鳥になった金髪のダンサーがいて、「おお~、ジグムントだ~(←意味不明)」などと、妙なところで感動。
故意に金髪君を選んだのか、彼がうまいダンサーだからか(このところ、ベジャールのダンサーはもはや世代が変わりすぎてわからない…)は知りませんが。
ちなみに、クピンスキーという彼はポーランド人らしいです(次の幕でもエゴな主役を踊っていました)。

この日サプライズの1作を追加してベジャールを3作上演して、ジル・ロマンの「アリア」でトリ。
ベジャール亡き後も「ベジャール団」は存在するのか~?(アルヴィン・エイリーのカンパニーも存続したから普通にあることなのかもしれませんが)という疑問が私にはあったのですが、そんな中、芸術監督として頑張ってひっぱっているジル氏はある意味期待の星。
残念ながら、本人のステージは観たことがなかったので、今回どんな作品がみられるのかちょっとドキドキ。

し・か・し

…う~ん、結果からいって、どうなんだろう。
こじゃれた雰囲気はこのカンパニーならでは、ですが、ダンスで何を表現したいのかがよくわかりません。
感傷的なものだけを引きずっているみたい。
個人としての資質が違うから比較できないけれど、音楽の解釈も、それほど重要視されていないみたいし…。

ジル氏がどんなダンサーだったかわからないので、どんなコレオグラファーになるのかまだまだわかりませんが(~~;)。
カエルの弟子は必ずしもカエルならず。
次回に期待しマウス。