pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

「チェ 28歳の革命」

イメージ 1

休みなので、たまにも映画いいのやってないかね?と思って映画欄をみたところ、「チェ~」が載っていました。最近映画ニュースをあまりチェックしていなかったのでどんなフィルムなのかイメージがわきませんでしたが、個人的に好きなベニシオ・デル・トロが主演だったな~と思い、とにもかくにも行ってきました。

映画館についてようやく、監督がソダーバーグだということを知ったんですが(←遅)、実際、ソダーバーグらしい手法で、ふたつの時が同時に進行する、独特の臨場感あるフィルムになっていました。
個人的にはあまり実在人物(偉人)の映画をみることはないのですが、現代の英雄を描くのはさぞ難しかろ~と思います。
しかし、このフィルムは製作者のメッセージを前面に出すことなく、みている人が自分で考えるようにできているようで、そういう意味ではよくできているな~と。
ただ、あまりドラマに富んだ展開ではないので、ドラマ好きな人や、ゲバラキューバ革命に興味のない人(あるいはキューバに土地勘のない人)にはかなりつらいかも。

フィデル・カストロキューバ密入国はたった18人だったとは有名な話で、よくもまあ、革命が成功したな~と、後日の外国に過ごす私なんかは思ったりするんですけど、生きるための戦いの厳しさや緊張感などはよく描かれています。
途中、農民たちをとりこんでいくのですが、やはり「撃って撃って撃ちまくるぜ~」的な気分で参戦する人もいたりします。ただ、戦いにおいてこれは誤解。
ゲバラ自身が医者だからかもしれませんが、こうした考えに否定的のようです。
ここではイデオロギーには触れませんが、戦争の勝利とは作戦の勝利であり、個々の責任感と連携によってなされるものなのだな~と、あらためて思いました。(ただ、やはり中南米史を知らないと、説明が一切ないのでキツイだろう…)。

それにしても俳優陣がすごくソックリでびっくり。
もともと弁護士で、自分を弁護したエピソードが有名なフィデル・カストロの、誰にも有無をいわせない情熱的なカリスマ性が…、演出としてすごく良くできています。意外とちょっとしか出てきませんが。

ところで、私自身は感情移入が別のポイントにあり、5年前、キューバに行った時のことを思い出していました。
このときの旅で、勝利の決定戦となったといわれるサンタクララへも行っています(↑写真はゲバラのお墓)。
サンタクララハバナ間は高速バスで移動したのですが、何もないハイウェイからはときどき広大なサトウキビ畑がみえたのを覚えています。
その時の土地の感覚が、なんとなく重ねてみえたのは面白かったです。