pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

人を喰う?『バーン・アフター・リーディング』

冬にゲバラの映画をやっていたころに映画館で予告をみた『バーン・アフター・リーディング』。
ちょうど同じ映画館で、『ベンジャミン・バトン』をやっていたころで、ブラピファンではない私には「久しぶりに美しいブラピ」とかいうコメントがつけられているのに、ええぇ~という感じていたところ、『バーン~』のセールスキャッチにあった「おバカ役」という文句に逆にそそられてしまいました。

楽しみにしていたわりには近所のシネコンはあまり売れ筋でない映画の上映期間が短く、あっという間に夜の映画に。
今日は1000円の日だったので、仕事の後にえいや~で行ってきました。
映画て、ほんとに観にいくのがしんどいね。

アップテンポを期待していたら、う~ん、コーエン調なのか、意外と冒頭から不穏な感じ。
誰が主人公なのか、結局わからない、というかそういう映画作りにはなっていない模様。
役人もインテリもプレイボーイも一般ピーポーも、案外自分の思いこみにとらわれて生きている、「現実」というもののもろさを描くような、うすら寒~い映画でした。

オープニングとエンディングに出てくる、地球の表面は、現実というものがちっぽけな「たかが、それだけのこと」の複合体から成っている、とでもいうような、冷めた眼差しの暗喩みたいですね。

案外、一番まともなのがジョン・マルコヴィッチ演じるオージー氏かもしれません。
彼は冷静だし、誰にも害をなすこと(浮気とか、恐喝とか)はしてません。
なのに他人に踏み荒らされる役どころは『マルコヴィッチの穴』と同じ。
豪華キャストが勢ぞろいしているのに、だれも豪勢でないとこがある意味すごい。

なんというか、人を喰ったような映画というか。
テイストは違うけど、『ノーカントリー』を観終わったときと同じ、キツネにつままれたような感じがしましたよ。