pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

キューバつながり?-『スカーフェイス』

1983年のデ・パルマ監督のフィルム。アル・パチーノが主役です。
きっかけはすでに忘れてしまったのだけど、なぜかWikiに行き当たり、「カルト的人気」を誇る映画という評に、面白いのかな~と。
ビデオ屋でほんとは借りたかった「007」の在庫がなかった代わりに偶然みつけ、観ました。
しかし何で、この頃はこんな男くさい映画ばっかりみてるんだろう…。

ちなみにもともとはハーワード・ホークスのギャング映画のリメイクだそうです。
設定は現代で、キューバが1980年に在米縁者のいるキューバ人のアメリカへの出国を認めたときに生じた、大勢のボートピープルの一人が主人公(←こんなところにもキューバつながりで驚き)。殺人と麻薬取引で成り上がり、最後には破滅する物語。

この映画に出てくるミシェル・ファイファーがすごい美人でびっくり。
でも彼女への愛がいま一つ動機がないような気がするし(金髪=憧れの図式)、なんだかんだ前の情夫が殺されてすぐに主人公のもとに下るというところや無感覚な贅沢趣味があるために、この女性自身にも同情はないのだけれど、それじゃあ最後に愛想尽かしてしまう心理もわかるよ…。
過剰な家族愛や、子どもを巻き添えにできないところが、ラティーナ的マッシスモの典型だな~と。それが破滅の原因なので、みていても苦悩に同感できず、感情移入ができませんでした。3時間もみているのに。

でも妙なところには感じることがありました。
それは移民とアメリカ合衆国というテーマ。新移民が生きていくアメリカ社会というところは、現実にはやはり厳しいのだな~とあらためて思いました。
大きな仕事がしたい、ということになると麻薬がらみの仕事や殺人などの汚れ仕事でで生きる道へ至るのだろうけれど…、そうした道をとらない同朋の新移民との間に溝ができるのは当然だろうし、お互いのそうしたつらさもわかるような気がします。
同時に、彼らに下支えされながら、複雑な社会構造の上層に君臨する人間たち(智で彼らを組み敷いていたり、エリートなのに麻薬を必要とする人々)の冷淡さ、無関心に大して不信感を抱いてしまうのも、人間の感情としては分かります。

Wikiによると公開時の興行成績はよくなく、しかし南部出身者やアフリカン・アメリカンの人にはカルト的な人気を誇るそうで、それはそれでなるほど~という感じですな。