ふう。
いままで読んだ最長の長編『指輪物語』9巻を超える全16巻。
ちなみに、岩波の『紅楼夢』は途中7巻まで読んで、絶版刊行待ち。
長。
前に書いたとおり、清盛はんはなかなか出てきません。
が、ただの現代語訳ではなく、作者独自の「歴史観」というか物語観があって、なかなか興味深いものでした。
敗れ去っていく人々の姿はなかなかに哀しく描かれ、判官びいきか、な~んて思いましたが、「判官びいき」本家本元(?)・義経はんは、もう語りつくされてよしとされたのか、あんまり出てきません。弁慶の「べ」の字もなし。
前置きが長くって、案外、いわゆる「源平合戦」があまり描かれていません。
風の前の塵のごとく、ですかねぇ。
先に出てきた人々はもはや忘れかかっていますが、そのせいか、他で知るより義仲の章がとても沁みます(T.T)。
王朝人の直接相対せぬ権力争いは、現代の政治家の権力闘争をTVで観てるような感じで、イライラするものですが、武士の描写はとても悲しくて涙。
為義・義朝・義仲という、なぜか滅んでいく源氏の様に涙涙。
とにかく登場人物が多いので、読むのは骨ですが、勢力関係がよくわかるので、その気があれば、日本史で挑む受験生におススメ。
(ただし、歴史考証は自分でやってくださいまし)