pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

5月と南米。

個人的な印象ですが、5月は南米の小説をよく読むような気がします(当人比)。

寝具から毛布がなくなって、シーツの冷たい感触に変わるシーズン(笑)、ベッドの上での読書がすすみます。
暑くもなく寒くもなく、しかも、この先しばらく寒さに脅かされることのない/日照時間が長くなる(雪国育ちだな~)季節への期待感からか、夜を過ごす時間が結構好き。
がっつり?読める物語を断然読みたくなります。

とはいえ、これまでそれほど多くの南米小説を読んだわけではありませんが…。
なぜかといえば、独特の重さに気が重くなるから。

はじめに読んだのがボルヘス(アルゼンチン)、その後イザベル・アジェンテ(チリ)で、偏見というか一種の刷り込みですが、アルゼンチンとチリは、それでも中南米の中ではヨーロッパに近いという印象があります。

…それでも、南米に「幻想小説」以外ジャンルはないのか?、と思ってしまうほど、ボルヘスとアジェンテの小説は、読んでいると現実や時代の感覚が混沌にのまれる感じで、読んでいるとかなりしんどい。
よくわかりませんが、地理的気候的なものなんでしょうかね。
恐るべし大陸。
「強烈な太陽のもとの、古い屋敷の昼間の暗がり」と、「混血の謎」がキーワードか。
(↑こんなのだから、明るい5月じゃないと読めないのかも)

前置きがかなり長いですが、GW自薦図書として、コロンビアのガルシア・マルケスの『百年の孤独』を読んでみることに。
ボルヘスなどをアマゾンで検索した後に絶対おススメされそうな作家ですが(^^;)、これまで読んだことがありませんでした。
アルゼンチンとコロンビアは違いすぎだろ~!と突っ込みを入れる日々。
ノーベル賞作家ですし、面白いんかいな~?という偏見もありまして、つい伸ばし延ばしにしていた有名作。

…書評ではかなり評判がよいのですが、個人的にはあまり…。
読んでるとものすごく幻惑を感じる作品です。こればかりは好みの問題やね。

どうでもいいことですが、「孤独」の解釈が自分と違うのかな~と思いました。

私の場合、南米文化に触れると、自分が見慣れている、日本が中心に置かれたものではない世界地図をみせられるような、いきなりの価値観の転倒というような、不意打ちに遭ったような気分になります(~~)。

それにしても、南米の作家の書く一族の話は、現代の日本人には絶対書けないものがありますね。
百年の孤独』は近親相姦もひとつのキーワードですが、なんとなく、昔スペインの絶頂期、フェリペ2世以降、王家の純血主義が近親婚を繰り返し、結果虚弱児の後継者ばかりが生まれて滅んでいったというという、世界史の授業できいたようなエピソードを思い出しました。
民族的なものなのかしら?
私にとってはひとつの謎。