pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

橋本治『双調 平家物語』

そのむかし、『桃尻語訳 枕草子』なるものを読んで、「いかがわしい」と思った記憶のある私。
そもそも、清少納言があまり好きではなかったのか…。

私も橋本氏も年をとってお互い丸くなったのか(^^;)、『芸術新潮』に連載されていた「ひらがな日本美術史」を読んでいると、案外読みやすいかな~と。
そこで、秋の夜長に、『平家物語』を読んでみることに。

し・か・し、とっても長~い。
店頭でたまたまその気になって買ったのだけれど、ふつ~の『平家~』は上中下巻くらいで済みますが、このシリーズは16巻まで続く模様。長。
どうやら(当たり前?)直訳では済まないかららしい。

祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
おごれるものも久しからず ただ春の夜の夢のごとし
猛き者もついには滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ

↑いまのもここまではそらで読めますが、学生時代は「遠く異朝をとぶらえば…」から平将門までもいえました(ただの記憶魔。琵琶法師になれたか?)。
ようやく1巻を読んで、この「異朝」の話が終わった。ふう~。
この先もしばらくは清盛はんは出てこないみたいです(~~;)。

やたら奸臣や叛臣の話が続く1巻、作者の関心のムラなのか、唐の話だけ妙に長い。
確かに『長恨歌』の題材にもなっているだけに、安禄山の話は書きやすいのか…?

ところで、さすがに大唐帝国の時代は周辺異民族もたくさん出てきます。
玄宗VS安禄山VS楊国忠の構図には、漢民族VS番族の意識もちらほら(というかそのまんま)。
ふと、最近の騒動を思って、中国は昔から変わらないよね~と、妙に納得。

おまけにしょっちゅう謀殺があるので…、中国人が猛々しくても仕方ないかな~と。
昔からそうやって生きてきているんだもの、ねぇ。

さて、ようやく日本に帰ってきても、いまだ「飛鳥」のお話。
中国に比べやたらのんべんだらり(蘇我氏の時代には謀殺もあるけれど)しているので…、ちと飽きそうです。