pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

『ブーリン家の姉妹』

公開当時は、スカレーット・ヨハンソン演じる純朴な妹と、野心家の姉 ナタリー・ポートマンの役どころは逆じゃないの?と思ったけれど、実際観たら、ナタリーのギラギラ度が半端なかった。
というか、まあ…。

アン・ブーリンについては、高校のころの英語の読みものか何かで、死刑執行前の最期の言葉として「あなたは、ただの女だった私を王妃にしてくれ、最後はには神の高みにまで上げてくださるのね♥」といったかいわなかったとかで、子どもながらに、いい人だな~と思ったものですが。
だから、あんまり野心家、というイメージはなかったのだけど、Wikiなんかでも、案外ギラギラした感じの人物評でびっくりだわ。

ヘンリー八世についても、「オレーはヘンリー8世8世」とかいう変な歌(フレーズ)がやけに頭に残ってるんだけど…。
いずれにしても、英国における激動の時代の重要人物ですよね。
有名であって、いろんな描かれ方があっても、まあ、当たり前か。

フツーに、男だったらスカ・ヨハのフェロモンにやられそうなものですが、意外にここではフェロモン控えめ、本当に純朴な、正直な女性を演じていて、びっくりした。
というか、ナタリー・Pもこの人も、子役からずっと主役を張っている、超級の女優さんだものね。
まゆが薄くてちょっとモナ・リザっぽいけど、かえって聖女っぽいのよね。

ヘンリー8世も、その後8回くらい結婚しているので、まあ、そんなに良い恋愛話になるわけはないんだけど、でも役者さんたちの頑張りを差っ引いたら、脚本としては(時代性はあっても)なんだかな~、と思ってしまう。

結局、男はギラギラした上昇志向の強い女よりも、素直な、控えめな女のほうが好きなんだよね~とか。
あと、ナタリー・Pのギラギラっぷりも大したものなんだけど、でもね、フランスへ行って学んできたという男心のつかみ方披露の描写がとても薄っぺらくて、ねぇ。
ヘンリーが「あの時と全然違う」というのも、全然わかりません。
狩りで男に頼らず馬に乗り、崖まで鹿を追いかけてヘンリーを落馬させ、傷心させたときの鼻っ柱の強さと、どうちがうのよ。
ナタリー・Pにもう少し妖艶さがあればよいのですが、美人だけど、身体が…幼児体型過ぎる(セクハラ発言)。
し、結局のところ、女の上昇志向、というのも、権力のある男をキャッチするのがゴール、みたいのも…ねぇ。
アンもおバカさんにしか見えないよ。

ふと、『ゴシップ・ガール』のセリーナとブレアの関係を思い出しました。
すべて「もってる」金髪のセリーナと、自分で上昇するしかない(そして自策に溺れる)ブルネットのブレア。
典型的な、白人男性的女性観なのかと思うと、なんだかね…。

そして、アンのメアリーに対する復讐心も、原因は何か、ぼんやりしている。
自分が最初に勝ち取るはずの王の寵愛を奪ったことなのか、秘密の結婚を反故にした(いずれも、失恋じゃなくて野心をくじかれたこと?それとも姉としてのプライドが傷ついた?)せいなのか、描写が薄っぺらい。
姉妹(兄弟)の複雑な愛憎の描写なら、まだ『カストラート』のほうが感情移入できた…なあ。

ちなみに、2008年と結構昔の映画になりましたが、ベネディクト・カンバーバッチとかエディ・レッドメインとか、今では主役級の英国人俳優がちょい役で出てたりします。
個人的に、エディ・レッドメインのファニーフェイスが、結構ツボだったりします。どうでもいいことですが…。
新作、みたいなぁ(と、話がそれる)。