pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

『ムーミンパパ、海へ行く』

ムーミンシリーズを読み始めて6冊目、ここにきて、お、重い。
いままで1日で読めたものが、今回1週間はかかった模様。

パパの男らしい孤独(←自分がすべてを決める、と決めて空回りする)が、あ~、こういう男の人知っているな~(←しかも、キライなタイプ)という感じ。
実にリアリティにあふれる描写で、子どもは読んで楽しいの?と思いますが(^^;)。

ムーミンはシリーズをとおして、登場人物の名前(ときに個というより種族の名前)が同じでも全然違う性格描写になっていることがありますが、ここに出てくるミィは皮肉屋というか、ちょっと残酷でコワいですよ、マジで(←死語)。

ここでの家族はバラバラ、海も陸地もちっとも家族を温かく包んでくれず、終始寒~い。

『海へ~』の細かいエピソードは、マンガ版のムーミン『黄金のしっぽ』に同時収録されている「ムーミンパパの灯台守」とよく似ています(漫画の方が古い)。でも、マンガの方がブラックユーモアあふれて読みやすく、こっちの悲壮感は何なんだろう?

この両作品に出てくる漁師は、感じが全然違うのだけれど、なんとなく中国の文人画に描かれる漁師みたいです(→仙人みたい)。なんか、急に東洋っぽい。

最後に突然漁師がもと灯台守として生き生きし、急に家族の結束が戻ってしまうので、何がテーマなのか、よくわかりません。
うーむ、とにかく不思議なお話ですな。