100年に一人のダンサーが次々に?引退していく昨今のバレエ界。
映画『エトワール』のころは、若者臭く斜に構えたコメントをしていたデュポンさまでしたが、あっという間に年月は過ぎゆくね。
マニッシュないでたちで、最初イケメンかと思っていたら…、デュポンさま。
コンテンポラリーも、クラシックの基礎のある人は格段にうまかったです。
そのアデュー公演が昨年あり、映画にもなっていたそうですが、DVD化されたので早速買ってみました。
しかし、何で今どきBDでなくDVDなんだ?
演目は『マノン』。
2年前にABTで観たジュリー・ケント(年齢不詳)もよかったですが、文芸バレエ(マクミランだけど)だし、ジャケットをみる限りすごくデュポンさまに合っている!と期待大。
デグリューは、ABT公演と同じロベルト・ボッレで、どうしてオペラ座のダンサーじゃないんだ?と思ったら、どうやらエルヴェ・モローが怪我でかなわなかったそう。
オペラ座の衣装はゴージャス。本物感ありますね~。
ジャケットのデュポンさまは愛人になってからの大人の魅力あふれるマノンの姿ですが、初登場のときの初々しいマノンもうまかった。
ジュリー・ケントもよかったと思うけど、ほんと、このペアもよかった。
ボッレは前回ちょっぴり不満だったけど、今回は本当の恋の相手は同世代の美青年・デグリュー、お金は打算、といった割り切りがすごく同感できるような演技でした。
原作のデグリューはかなりいやな(ストーカー気質)男ですが、ボッレのデグリューは、ただただ、恋する青年で可愛い。
『白鳥』で私の魂を抜いたカール・パケットは悪役専門なのか、今回は看守役で出ていました。
が、すごく気持ち悪い…。
いやな男の役だけど…、意外と美形とかではなくて、カメレオンダンサーなのかなぁ。
最後はさよなら公演らしい感極まるカーテンコール。
マノンは最後は短髪のボロ衣装なので、華やかなエトワールのラスト・カーテンコールとしては可哀想…と思ったのですが、何のその、素敵でした。
紙吹雪と合わせて星型のものがとばされたのを一つ無念に貼りつけるのはさすが、誇りですかね。
(エトワール=星)
花束をもって壇上に上がった二人の男の子は息子さんらしく、デュポンさまは本当にうれしそう。
大きな口がとっても似ていました。
『エトワール』のころは、女性ダンサーが子どもを持つことも一つの重要な争点?になっていたので、なんだか感概深い。
ダンサーにとって映像化はどうなのかはわかりませんが、世紀のエトワールのラストを記録にとどめてくれたことに感謝。