pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

ウィル・タケット版『兵士の物語』

8月のバレエ・フェスティヴァル、ぐずぐずしていたらチケットをとりそびれました。
イベントがないから退屈だなぁ、と思っていたら、アダム・クーパー×『兵士の物語』に当たりました。

『オン・ユア・トゥーズ』以来10年余りぶり、アダム・クーパーがまだ舞台に立っていたので驚きましたが、案外ロイヤルを退団したのが若かっただけで、40代前半だったらしいのを知り、また驚愕。

昔はダンサーにとって40は大台、だったような気がしますが、ルグリ先生が最近まで踊っていたことを考えれば、まだまだ踊れる世代ですな。

ストラヴィンスキーの『兵士の物語』は、タイトルは聞いたことがあっても、実際にはみたこと/聴いたことのない曲で、またまた、前知識なしのぶっつけ実見。
そして、初めていく池袋の東京芸術劇場
小規模の演劇用ホールなのか、なんだか不思議なところでした。

あらすじは何とかうろ覚えで読んでいたのだけど…、最初、兵士がアダムということに全然気づかなかった。
メイクのせいかもしれませんが…、あんまりはっきりイメージがなかったのね。
そしてようやく、顔の小ささとものすごく三角にでっぱった鼻で認識。
メイクのせいか…イモ臭い(というか、もともとそんなにハンサムではない)。
『オン・ユア~』の時は異様に長い手にびっくりしましたが、田舎兵士役だから仕方ないよね。

それにしても、『オン・ユア~』もそうだったけど、アダムという人は演劇指向がつよいのか。
バレエで『兵士の物語』をくってもあんまりヒットしないのも、こういうわけだったのか。
登場する4人はすべてダンサー(イギリスの)なんだけど、ダンスというよりは演劇色の濃い舞台。
バレエ・ダンサーもまあ、演技力は必要だけど、これはまたこれで、違うタレントが必要ですね。

音楽も全然思い当たらなくて、ストラヴィンスキーはものすごい前衛とものうすごくイモ臭いロシア色濃厚な曲の振り幅が大きいのだけど、『兵士』は後者。
もともとは過酷なロシアの徴兵制を題材にしているとかで、さもありなん。

ある意味、悪魔は暗喩的な存在なので、どうせなら現代のアレンジでみてみたいなぁ、と思いました。
今回はものすごく19世紀的。
これはまあこれで興味深い舞台でしたが。

それにしてもなんで、王女はちょっと下品っぽいのかよくわからなかった。

まあ、舞台は舞台でいいとして、なによりも印象に残ったのは、むしろ閉演後にホワイエを歩いていたら、ナマ首藤康之氏がフツーに歩いていたこと。スターなのに。
すごくおしゃれなスーツを着て、でも普通に観劇していたようです。