pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

ピナ・バウシュ『オルフェウスとエウリディケ』

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先日、ロイヤルのバレエをみました。
日程の関係で『ロミ&ジュリ』しか観れなかったので(『マイヤリング』が平日公演なんてひどい…)、地方公演の西宮に。
ダンサーよりも、マクミラン版実見という観点で見、昔みたフェリ&イーリング?のペアよりは毒がないな~とは思いましたが、さすがロイヤル(そして『ロミ&ジュリ』)、ふつーに楽しめました。

チケットも高いですが、プログラムも高い。
もはやロミ&ジュリはカタログいらずですが、新しい世代のダンサーがわからなくなってきているので(^^;)、プロフィールをチェックするためにうっかり購入。

ふだんはあまり読まないテキストを読んでいたら、急にラヴロフスキー版の『ロミ&ジュリ』がみたくなり、お決まりのアマゾンへ。
ボリショイのDVDの在庫がなく、残念ながらこちらは手に入れることができず。
そのかわり、おススメに変わり種が入っていたのについ手を出してしまったものがこれ(前置きが長い…)。

実はピナ・バウシュがあまり好きではないということが判明した私、躊躇しましたが、演じているのがパリ・オペラ座だったことと、裏ジャケのマリ=アニエス・ジロー様のビジュアルに感じるものがあったため、買ってみることに。
しかし、こんな舞台装置が似合うのはジロー様しかいませんんw(~~;)。

初演が1975年と古い作品。ピナにしては珍しく?、男性が主役。
以前実見したものに初期の『七つの大罪』がありますが、それとある種似たような感じで、オペラ歌手がステージで歌いながらダンサーが踊っていきます。オルフェウス、エウリディケにはそれぞれの歌手付き。

男女の愛のすれ違い、というのはピナらしい主題ですが、観ていてふと、オペラ座がやるとそれほどえげつなくないように思われました。
なんというか、ウッパタールのピナは、ダンサーも個性派が多いせいか、ピナの描く暴力がどぎつくて、観ていてしんどいのです。

それにしても、パリ・オペラ座はダンサーの層の厚さが抜群に感じられます。
いまのオペラ座はスターよりも全体でみせてくれるようですねぇ。
オルフェウスもまだプルミエ・ダンスースなのに、これだけ踊れるのはすごい。

それにしてもジロー様、コンテンポラリーの演目で初のエトワール指名となっただけあるダンサー、存在感あります(一幕はただ座っているだけなのに。裏ジャケ参考)。
このひとは『シーニュ』でも主役を踊っていますが、これも立ち姿だけで魅せる振りを演じています。
存在感がありすぎて(肩がいかつい)、群舞はできないだろ~という感じではありますが…。

それから、ソロのパートではミテキ・クド―も踊っています。
20年ほど前に資生堂の口紅のCMに出ていましたが…、いまのほうがずっとキレイ(しかし、いくつなんだろう…?)。
ドキュメント映画『エトワール』に出ていたころはずっと低い地位で、プルミエ・ダンスースでもなかったような気がしますが…、それでもソロパートを踊れる個性が認められているというのは、オペラ座の面白さでもありますネ。

いつもは買いっぱなしが多いのですが、今回は最速、着いたその日に観終わった私。
それにしても、急にオペラ座のモダン演目を実見したくなりました。