pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

バレエ「オネーギン」

久しぶりに初見の演目。なので、音楽なんかも想像できません。いやはや、ドキドキですね。

遠出しないと海外公演がみれないというのは、やはり地方在住者の弱みやね…。
先週のドゥアトと続けてサクッとみたかったけれど、休みのシフトの関係やキャストの選択で大阪公演をみることに。
偏見ですが、海外のツアーは東京ではそれなりにやっているのに、地方に来るとダンサーたちも心なしか手を抜いているようにみえるので、そういう意味でも東京公演がよかった…。

それにしてもマラーホフなき後(←殺してません)、シュツットガルトのスターは誰なの~?という感じでしたが(前回は6年前に見、なんと地元でもマラーホフが踊ってくれた)、なぜかフリーデマン・フォーゲルがみたい、と思い、とにかく大阪で手を打った次第。

しかし、あらすじを読んでもいまひとつ、「オネーギン」のイメージがつかめません。
たしか、ルグリが客演してやるような演目だったはずだし、クランコだし…、とにかくみる。
観る前はなんでフォーゲルが主人公(=オネーギン)でないの~?と思っていましたが…。

う~ん、「オネーギン」はオネーギンといいながら、オネーギンが主人公でない感じ。
というか、すべて全体で進み、だれも主人公でない感じがしました。タチアナだって、あんまりヒロインな感じではない。感情移入のポイントが、すべての登場人物にない。

オネーギン役のイリ・イェネクというダンサーは、目の奥まった感じが陰気なオネーギン役にぴったりで、身体のラインや身のこなしもきれいなんだけど…、ダンサーとしてはどうなんだろう。ちょっとテクニックが不安にみえたのだけど、それともオネーギンがそれほど見せ場のない役だから?

私にはよくわからないのが、なんでオネーギンが後年公爵夫人になったタチアナに求愛するか、というところなんですよね~。ちょっとみっともないくらいに女にすがるんだもの。
(それにしても、ロシアの文学男は後悔が好きやね…。『復活』とか)
タチアナも最後、ほんとに毅然として男を拒んだのか、ちょっとわからなかった。幕の瞬間、ちょっと泣いた感じのポーズで終わったし。

それとうって変わって、オリガとレンスキーのカップルは明るくよくわかりやすい。
イメージではロシアの詩人があんなに朗らかでいいのか~?と思ったりもしますが。
かわったリフト(複雑)も多くて、決闘を止めようとするオリガとタチアナがレンスキーにすがりつくシーンは妙にかわいかった…(雪ん子みたい)。
こういう振りをみていると、マクミランもクランコの弟子なんだな~としみじみ。

しかし、現在の目でみるとやはりクランコのドラマチック・バレエも古いな~と思ってしまいます。
幕もあっという間に終わって、いろんな意味でも楽しめた経験でしたが、なんとなく、ハイデの「眠り」をみてもよかったかな~(ただし、「眠り」は演目としてあまり好きでない)とも思いました。

いまは2月のノイマイヤーをどうしようか悩んでいます。
「椿姫」はあまり好きではないようだし、かといって「人魚姫」というのは…。
5月にはデンマークのロイヤル・バレエが来日する模様。
ここといえば「ナポリ」でしょうが…、う~ん、ノイマイヤー版のロミ&ジュリも気になる…。