その昔は「映画は原作の小説の深さには及ばない」と言い切っていたような気がしますが…、最近考えを改めました。雑感は下記のとおり。
「ノーカントリー」⇔「血と暴力の国」
アカデミー賞をとったコーエン兄弟のフィルムの方が面白い。映画をみた後、いろんなブログで他人の感想を読んでいたら(ちなみに、私は知人夫婦とレイトでみたのですが、…一人でみた方がよかった。人を誘っていく映画ではなかったべ)、原作も面白そうと思ったのだけれど…。
小説と映画は流れも展開もほぼ同じ。「独特の文体」がいいのか悪いのか…、読み難いです。登場人物の事情は小説の方が詳しいので、モスがなぜ死んだかの運命論的なところは、映画よりよくわかるような気はしますが(映画ではベトナム帰還兵の心情的な描写が特にないので、「ベトナム」があまり意味をなさないし)
映画ではトミー・リー・ジョーンズが「スーパーマン」であることを過剰に期待してしまったのですが、なんでだろう?
原題は"No country for old man"(邦題はヘン)
小説の方が「老人」であるベル保安官の愚痴が長く続くので、タイトルとあっていますが…。
「サンキュー・スモーキング」⇔「ニコチン・ウォー」
これも映画を先にみました。
「ノーカントリー」の原作との関係とは違って、登場人物の性格が原作とかなり違いますが。
映画はブラック・ユーモアもきいているし、自信を失った自分にも元気の出るものでしたが、小説はずっと昔に読んだ、バブルの時代になりあがったサクセスストーリー(タイトル忘れた。父親が借りてきた本を勝手に読んだ。日本の小説)みたくって…、陳腐。とても1990年代的な中途半端な感じ。
相変わらず邦訳読みですがね…。ぶつぶつ。