pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

古い映画のすゝめ②

昨日に引き続き。
なぜか1960年代の映画が続くGyao!。
 
『雌猫と現金(げんなま)』というタイトルがなんだか見覚えのある、1967年のフランス映画。
こちらは『ボッカチオ』のイタリア調と違い、全くのフランス調に。
 
それにしても、ゲンナマとはどっちも「金」を読まない隠語だな…
 
オープニングの悲しげなメロディと、スタイリッシュ?なタイトルロールで始まり、いったいどんな映画なんだろう…?と思います。
そしてフランス映画らしく、どこか余計なナレーション付。
 
ミレーユ・ダルクという女優さんはあまり知りませんでしたが、長くアラン・ドロンの恋人だったそうです。
 
人気のない朝?の線路から始まって、いきなり銃撃戦。
4億フランという大金を盗んだ「ツキのピエロ」が警官に銃殺され、そのお金をめぐって、警察(と銀行)、仲間割れして二手に分かれたギャングが、ピエロの恋人・カトリーヌににあの手この手で探りを入れてきます。
当の本人は子供を産んだばかりで、「未婚の母のための施設」とやらに入所しているのですが、ここで意気投合したママ友に事情を話し、逃亡。
こっそり田舎の家に取りに帰るも、それぞれのギャングの手下に尾行されてしまいます。
 
ギャングも死んだ恋人の関係者、ということでなぜかみんな微妙な知り合いだったりしますが…、無慈悲なロサとどこか間抜けな手下たち、より知恵のきくもう一手のギャングの手下・ジョー(彼のボスは途中死んだもよう)、よくわかんない闖入者だったはずが突然重要なキーパーソンになるちょっとおかしなアマチュア画家の隣人など、とにかくキャラクターの使い分けが強烈。
冷静にみれば、みんなダメダメですが…。
 
「雌猫」のカトリーヌだけは、どちらかというと無表情なので何を考えているかわかり難く、よってストーリー展開が全く読めないのですが…、最後に息子を奪われてからにわかに全力を出し、最後まで生き残ったボスとダメ部下(それ以外は、結局は一抜けしようとして死んだジョーにすべて撃ち殺されており…、まさに凄腕)を倒して息子を奪い返すところは…、まさに出産したばかりの母猫の様かもね。
(※それまで息子にあまり愛情を示さなかったし、お金に執着しているかもやや不明)
 
結局、隣人の画家に預けられていた大金を警察に差し出して報奨金をいただき、お話が終わる(ギャングたちだけが死滅)、というのはどうも腑に落ちない(※最初から報奨金もらっとけ)のですが。
 
それ以外は音楽と映像、カット、配役がものすごく魅力的。
 
べたべたですが、一時ママたちと画家と共闘したジョーが、二人とも口説いているところが抜け目ないというか…、抜け目なさすぎですごい。顔はちょっと、武田鉄矢かだれかに似ていますけど。
この籠城のシーンが、なんだかちょっと切ないです。
 
感動とか、考えさせられる、ということはないけれど、古い映画は映画としての完成度が高いなぁ。