ELLEオンラインで、夏らしくアイコニックなフランス女優たちの特集をしておりましたが、タイムリーにブリジッド・バルドー主演映画がいくつかGyao!で配信されており、その魅力?を確認するために観てみることに。
BB主演の映画は『軽蔑』しか観たことがありませんが、どうしても男が寝そべって登場させたくなる女なのか…、ここでも冒頭から全裸で(映写はされない)登場。
意味深にも、中年のおじさんがお金で彼女の心を動かそうとするようなシーンで始まりますが…。
田舎の漁村で気ままに過ごすジュリエット(BB)は、孤児で、スタイル抜群。
仕事をさぼって全裸で日向ぼっこしてたりするので、里親の女性にはにらまれていますが、おじさんにはモテモテ。
彼女をめぐる、主に3人の男たちの三者三様のお話。
一方 自由気ままなジュリエットは、年配の女性受けが悪く、でも実は性悪でも淫乱でもないよう。
造船業一家の家長的な長男・アントワーヌとジュリエットは幼馴染のようで、二人は相思相愛にもみえる。
が、彼は世間体を気にするタイプらしく、彼女を誘っておきながらひどい陰口をたたいたり、駆け落ちに誘いをかけながら約束を守らなかったりと、彼女を深く傷つけてしまう。
そうこうするうちに、ジュリエットの孤児院返還が決まり(未成年だった?)、再びおじさま登場。
おじさまは彼女を利用して造船一家を貶めるのか…、と思ったら、ただのスケベおやじ&狡猾じじいでもなくて、なかなかいい人らしく、彼の弁護士がジュリエットの孤児院送りを止めるには結婚か養子縁組しかない、と進言したところ、自分ではなくて、ジュリエットに片思いしていた真面目で一途なアントワーヌの弟・ミッシェルをたきつける。
それまであんまり交流のなさそうな二人なんだけど、ジュリエットはミッシェルになぜ自分が無茶をしてしまうのかを話し、彼は彼女が本当はいい子なんだいうことを知り、プロポーズ。
偏見に満ちた彼の母親や、心無い港町の荒くれ者から不器用ながら自分の名誉を守ってくれたミッシェルに「情にほだされ」感で、ジュリエットは陥落。二人は結婚します。
…が、真面目で自分を愛してくれる夫だけの生活は退屈なもの。
相変わらず田舎だし、年配の女性からは非難がましい目でみられ続けるジュリエット。
ここでおじ様再登場、ジュリエットの的を射たアドヴァイスにより、相互ハッピーな形で造船一家から土地の権利を譲り受けることとなりますが、そのせいで突然アントワーヌが帰郷・一家に戻ってくることに。
アントワーヌを愛しながら、傷つけられたジュリエットは反対しますが、この時代の長男の権限とはすごいのか、ミッシェルもほかの家族も大歓迎。
このアントワーヌが、ほんと嫌な男の典型で、なにかと弟夫婦に茶々を入れる。
一番下の弟(未成年)に、「人のものになったから急に惜しくなったんだろ」と図星をいわれると、家長的暴力をふるう始末。
しかし、ジュリエットはなんだかんだアントワーヌに未練があって、ミッシェルがマルセイユに出かけて留守にしたある日、船の事故がきっかけで二人は関係を持ってしまうのですが、…アントワーヌは本当にひどい。
ほとんどやり逃げ状態で、彼女を売女呼ばわり。彼の母親もしかり。
…いつも思うのですが、なぜ浮気は女が一方的にせめられるの?
弟の嫁に手を出した長男に罪はないのかね。
帰ってきたミッシェルに母親はこのことを話し、彼女と離婚するよう迫る。
彼女を心配したミッシェルは町中を探しまくってすれ違い。体格も上の兄とも格闘喧嘩を展開。
アントワーヌが好きなのにまた裏切られ、ミッシェルを傷つけたくないジュリエットは荒れて酒場で踊り狂う。
そこでようやく彼女をみつけたミッシェルは彼女を撃とうとするも、またまたおじさま登場、文字どおり体を張って銃撃を止めます。
「彼女に惚れている」と公言しながらも、なんだかんだ、彼女の相手に一番いいのはミッシェルと考えるおじさま、彼女をめぐるもう一人の男・アントワーヌに自分を面倒を引き受けてくれる医者のところまで連れていくよう命じ、その場を去らせます。
二人になったとき、彼はアントワーヌに「彼女は男を惑わせる悪女だ」といいますが、惑わされ方も三者三様。
結局、ミッシェルとジュリエットが夫婦に戻って終幕、という案外平和に終わるのですが、「悪女とは女が悪いのではなく、男がその女性像をどうつくりあげるか」なんだよなあ、と、あらためて思った次第。