何年か前に原作を読んだ、村上春樹氏偏愛の『グレート・ギャッツビィ』。
ま、男の人にはさもありなん、なんでしょうね。
だいたいわかるけど、まあ、久しぶりに映画感謝デーと休日が重なったので、レオ氏主演のフィルムを映画館へ観に行くことに。
CGネタもなさそうなのになぜ3D、と思い、ぜひ3D観たかった(※いまだ、3Dを観たことはなし)のですが、3Dは吹き替え版しかないので、しぶしぶ2Dでガマン。
どうしても吹き替えなしで、3Dでも観たい、というなら現地で観るしかないでしょう…。
ところどころ、3D向けにつくってるんだろうな~とわかるような大げささやスピード感などは、2Dでは結構白けます。
し、原作知ってるので、ミステリー度は低し。
特に前半、はっきりいって「マンガみたい」。
リアリティとしてはどうか知りませんが、パーティーシーンはなんとなく「80年代か!」と思うようなバブリーな騒ぎ。
どうでもいいとこですが、デイジーとギャッツビィ氏の再会のシーン、Gの緊張ぶりはかなり笑える!
…というか、普通はヘンに思うでしょ!
…というところでひかないのが、デイジーのお嬢様ぶりか。
後半、デイジーの旦那の悪役・上層階級っぷりがいきて、3.5角関係(0.5はニック)がようやくおもしろくみえてきます。
原作のG氏も結構謎ですが、レオ演じるGも謎。
今回のフィルムを観て、そうか、G氏はデイジーのことを愛している(※デイジーとの最初の恋愛も、案外上層階級の女の子への憧れか)わけでなく、失われた5年間、どうしても行きつけない上層階級との溝へのもがき(わりと、素朴な感情にみえる)なのか、ということがわかり、「ピュアな男の愛情」が主題じゃないのか…、とあらためて思ったりもしましたが。
(過去にしがみつく狂気、の演技がちょっと足りなくて残念)
でも、交通事故のあと、デイジーの家の庭先で彼女のことを心配しているシーンは素朴な愛情(※ちょっとストーカーチック)を感じたり。
…謎だ。
結局、デイジーにしてもトムにしても、自分の体面に都合のいいように物事を処理する(そして処理できるちからのある)上層階級である、ということがここで一気に明らかに。
↑ということで、愛人のいることを棚に上げるトムの傲慢さには最初イライラしますが、結局はデイジーも同じ穴のムジナ。
それまでは、女の人ばかりが無力化される、という現実にやり切れなくなるんだけど。
『グレート~』は決して、純愛物語ではありませんよ。
…しかしどう考えても、自分の妻の愛人に気付かない機械工は…、バカじゃないのか。
…なんというか、リアルドラマを求めるべきではなく、エンターテイメント性にあふれた、ある意味映画らしい映画。
日本語訳は『華麗なるギャッツビー』というのが定着していますが、ニックの視点を考えると「グレート」は「偉大」のほうが近いよね。
どうでもいいことですが、2人のお茶会のためにかわいいカップケーキを用意したニックがかわいい。
そして、 「自分はもう32歳だ」というレオには違和感がありますが(さすがに、ちょっとサバ読みすぎだろ)、現代では、彼くらいしかギャッツビィになれんだろうな…。