この秋は観たい美術展花盛り。
ですが案外連休がなく、また月曜を挟むにくにくしい?体制にイライラ。
そして案外、実際行くとなんだかな~と思うことしばしば。
ファッションと同じく、自分の分裂(雑食)趣味のせいですがね…。
そんなわけで、実際みたものは
↓
①川村清雄at 目黒
②川村清雄at 江戸博
電車の乗り継ぎに失敗?して、ほんとうは江戸博から行きたかったのだが…。
結果として、美術館と博物館の展示手法(あるいは文法)の違いをしみじみ感じました。
うろ覚えの川村清雄の人物像、目黒は2回目の川村展だからか、「川村清雄はこんな画家です」ということをあまり親切に教えてくれません。
し、全貌は江戸博が紹介してるので、ここで観られるのも、コレクションに沿った晩年やコレクターの手に沿ったもの。
しかしまあ、純粋に鑑賞という点ではこちらのほうが作品がよくみられる。
なんというか、江戸博では「江戸人としての川村清雄」的な視点で語られているので、やはり博物館らしい感じに(図録も、そんな感じ)。
ただ、どういう時代に生きた人物なのかは、非常によくわかりましたが。
一日目はこんな感じでギブ。
両国も目黒も離れているので、移動が結構大変デスワ。
さて二日目。
月曜なので、また選択肢が狭い…。
さいわい、千葉市美が月曜開館ありなので、行ってきました。
しかし遠い…。
↓
③須田悦弘展
スーパーレアリスム?の木彫家なのか、インスタレーション作家なのか。
初めてみたのは直島の美術館で、観光ガイド的なギャラリーツアーに参加したのは早10年前…。
あのときは「ええ!雑草!!」という楽しさがあったのだが…。
なんというか、「みるための空間」を強制されるようなみせ方に疲れました。
茶の湯の精神を再現したいのか…、しかし未消化な様な…。
出自で差別?して申し訳ないが、やはりデザイン科出身の人だな~と、妙なところで納得。
作家って、何なんだろう…。
この日はあまり行きたいところがなくて、また時間かけて東京に戻りしばしお仕事。
なぜか写真をとっていいといわれたので、夜景(近くのチャペルがとくに気になったので写し込み)と一緒に撮ってみたエルネスト・ネト。ブラジル人の作家です。
しばらく前によく金沢でフィーチャーされていた人なので、なんだか久しぶり感あり。
どちらかというと触角に訴えかけるような作品をつくる人で、こういうウネウネしたものが天井からつり下がっているのですが…。
この人の作品は入れるのでは…、とおもったら、やはり係員の人に「登れます」と勧められました。
(ちなみに、私一人しかいなかった)
↓というわけで、10メートルくらいありそうな空間からぶら下がった網の中(中はプラスチックボールのようなものが詰めてある)に上ってみました。
↑お米のインスタレーションには行ったときは、うっすらとした記憶では、どこかオーガニックなにおいと、ねっとりとした踏み心地だったのですが…。
これは結構ハードなアスレチック。
電車の中で上野千鶴子の『生き延びるための思想』を読んでいた私は、妙なところで、「生きるってこういうふうにしんどいけど、自分の足で歩いていくしかないんだな~」としみじみしたものデス。
さて、3日目。
美術めぐりも結構しんどくなりつつあり。
あんまり、他のことせず過ごした日。そしてやはり点と点の動きが多く…。
ああ、街歩きがしたい。
それはさておき。
↓
⑤柴田是真at根津美
⑥篠山紀信atオペラシティ
⑦東近美
…雑食もこれに極まり、の感あり(^^;)。
柴田是真は数年前に巡回展(アメリカのコレクターのコレクション)がありましたが。
今回は格段に…。
超絶技巧もさることながら、やっぱりエスプリがすごい。
デザインとは、かくあるべき、かしら。
思えば、久しぶりに行ったオペラシティ。
若いころのルグリ先生を、教会のバロック彫刻のようにみせる舞台…、どうやったのか…?
しかし、一番気になったのは東日本大震災の被災者のポートレイト。
作家の力というか、なんというか。
写真をとられるときはたぶん人はある程度顔をつくることを無意識でするのだろうけれど、そういうふうにきちんと身構えているようで、当然ですが、やはり笑えない。
災害のただなかで、どうしたらいいかわからない、という人びとの表情がストレートに出ていて、なんだか…、なんともいえないショットです。
⑦は基本コレクション展で、実見しておきたい作品が出ているから行ったのですが…、意外と結構おもしろかった。
なんというか、等身大に同時代(といっても、近代はすでに過去)が楽しめます。
なんとなく思わせぶりな解説板も…、もはや確信犯では。
フツーの人にパロディの元ネタがわからないディスコミュニケーションはないのか…、と思ったのですが、どうなんでしょう…。
(そして、作家にしてみれば美術館とはヘンなところなのだろうとしみじみ思う)
↑こちらはあんまり時間がなくて、最後1950年代はかっとばし。
かなり丁寧な展示なので、旅人にはつらい鑑賞時間でした…
と、今日もオチなし。