pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』

終始、私にはバカボンのパパのしかみえなかった宇宙人ジョーンズこと?、トミー・リー・ジョーンズ監督のフィルム。
数年前のカンヌ映画祭で評判となり、当然田舎では公開されませんでしたが、忘れていたころにGao0!で公開、このたび実見することに。
それにしてもなぜ、「昭和TV」なのだ…?

タイトル通りのストーリーで、不法移民のメキシコ人メルキアデス・エストラーダが3回埋葬されるお話です。
て、なんだそりゃ?という感じで、最初時間軸が混在してわかりにくいのですが、登場人物が少ないので、だんだん視界が狭まってまとまっていくような流れになります。

”塰^槎韻離瓮シコ側からの侵入が絶えないテキサスの国境が舞台
 (『ノーカントリー』以来再び、国境物語のジョーンズ。実際テキサス出身だからか、カウボーイがカマボコ)

馬を仲立ちに、友情を深めていく初老のアメリカ人ピートと中年の不法移民メルキアデス。
 純粋で、どこか神秘的(古代的?)メルキアデスは、ある日「自分が死んだら故郷に埋めてほしい」といい、故郷の話をします。
 (冷静に考えて、「国境のこちら側には埋められたくない」ならなぜ越境する?と突っ込みたいところ)

9餠なので、国境警備隊として若い警備兵・マイク夫婦がシンシナシティから引っ越してきます。
 マイクの相貌は、なんとなく、ナチの突撃兵みたいですが…

す餠警備なので退屈だけど、ときどき集団越境をとっ捕まえるのが仕事。
 やや乱暴なマイクは上司に注意を受けますが、どうも短絡な人らしく、ある日、国境付近で銃声を聞き狙撃、コヨーテ退治をしていただけのメルキアデスを誤射で死なせてしまいます。
 →そのまま隠ぺいのために丘に埋める=一回目の埋葬

ゥ灰茵璽銅蹐亮躾佑砲茲辰謄瓮襯アデスの遺体が発見され、ピートがその死を知ることに(これは冒 頭)。
 知り合いの保安官に遺体の引き取りを申し出ますが、めんどくさい保安官はそのまま墓地に埋葬(2回目の埋葬)。不法移民の事件だし、どうやら犯人は身内(国境警備隊)なので、捜査も放棄。

Νイ鮹里辰織圈璽箸賄椶辰董▲泪ぅを拉致、「正しい」埋葬のためにメルキアデスの遺体を掘り起こさせ、無理やり国境越えの旅に同行させることに。

↑すっかりネタばれですが、全体としてΔ砲弔い討長く描写される、ある種のロードムービー
国境越えの旅ではピートはほとんどしゃべりませんし、マイクも終始プリプリしたり、脱走しようとしたりの繰り返し。
どうみても怪しい一行に、メキシコ人たちは皆あたたかく?、人間らしい応対で接してくれるのが魅力的。

クライマックスになって、メルキアデスが埋めてほしいといった「ヒメネス」という村が実在せず、妻も子どもも他人の家族であることが判明。「メルキアデスというメキシコ人は実在したのか」という疑問、すなわちピートの行為の意義が問われることになります。

冷笑的になる若いマイクに惑わされず、頑迷なピートは自分の「ヒメネス」(=桃源郷?)を見出し、3度目の埋葬。
突然の解放と別れに、マイクが「一人で大丈夫か?」と問いかけるシーンでジ・エンド。

↑て、長い映画です。
なにが、ということははりませんが(^^;)、『ノーカントリー』以上に No country for old manな、ジョーンズの哀愁を感じるフィルムです。