pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

エド・モダン

有名ですが、好みとはずれるので、よくやっていてもあまりまともにみることがない岡本太郎
川崎に美術館があり、ときどき面白いモダン(戦後間もなくモノ)をやっていますが、如何せん遠くて、北代省三以来いっておりませぬ(^^;)。
常設コーナーには太郎の作品もありますが、確か岡本家資料もあったはず。
太郎は作品よりも、資料(著作とか)のほうがおもしろかったような記憶があります。

↑で、太郎といえばしょっちゅう岡本家の「特異さ」が話題になりますが、実際、いまの世代にはあまりピンとこないもの。
売れっ子漫画家のパパ・一平の放蕩と、封建日本にはめずらしい奔放ママ・かの子についてよくきくエピソードも、ふ~ん、という感じでした。
が、たまたま本屋でちくま文庫から出ているかの子(呼び捨て)の作品集が目について、読んでみることに。

写真でみる限り、おたふく顔で鈍そう(失礼!)なかの子が何で数々の恋愛事件で有名なのか、これまではいまひとつよくわかりませんでしたが…、半ば私小説的な小説を読めばなるほど~という気にもなりました。
江戸っ子にしか書けない都会的洗練と、しっかりした自意識、嫌みのなさ。
才能というか、気質で人を魅了したところもあるのかな~と。

小説は主に晩年集中的に生み出されたものらしく、不幸な結末も多いですが、それぞれの感情こまやかな描写がスバラシイ。
こちらも、スキャンダラスな人物像ばかりが先行するのはもったいないですナ。