pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

『たのしいムーミン一家』

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子どものころ、正直好きではなかったムーミン
アニメをみた記憶はほとんどありませんが、たぶんカバのような造形と色が好きでなかったのでしょう。
個人的にどうも、淡い緑か青のキャラというのが苦手のよう(ドラえもんブルーとか)。
カバにもトラウマ?(保育園児のころカバを実見してすごくこわかった)があり…。

やや時間がたって、小学校か中学生のころか、もはや忘れてしまいましたが、当時缶ペンケースというのがはやっていました。
そのころに買った、ムーミンキャラが(田舎ですから、キディラ○ドのようなものはなかった)自分の知っているものより大人っぽかったので、ムーミン評価も上がった次第。

ちなみに、ムーミンがカバでなく妖精であることを知ったのもずっと後の話…。

でも今の今まで、「ムーミン」はちゃんと読んだことがありませんでした。
が、先月の『芸術新潮』の特集がムーミンだったのでパラパラみていたところ、以外とキャラがシュールなのに興味が出て、つい、入門編を買ってみました。

なお、今回買ったのは『指輪物語』の作者トールキンの子ども向けファンタジー、『ホビット』も出している講談社青い鳥文庫版です。
自分が子どもだったころは『クレヨン王国12か月』シリーズにはまりましたが、いまでも名作こども文庫がちゃんとあってエライ。

どうでもいいことですが、自分も北陸の暗~い寒~い土地で育っているので、北欧の自然観というのがなんとなく同感できるような気がします(^^;)。

『たのしい~』はトーベ・ヤンソンムーミンシリーズの第1作ではなく、むしろ出世作
基本的に、魔法の帽子にまつわることが主題材のようで、一方でそれと関係なく日々が過ぎていく様が描かれています(でも一応、最後まで主題材ではある)。
子ども・大人・老人の世界観が微妙にずれているのですが、すべてのキャラクターに短所がありながらも、それがここぞというときにうまく他と他の調整ができるという、なんというか、共同体を営んでいく上の役割を各々果たしているというところが絶妙。

得体のしれないお客でも、「食べ物をあげなくちゃ」と思うママ、なぜか愛されているのだけれど本当は自分勝手で迷惑野郎のトフスランとビフスラン。悪役のはずなのに「他の物の望みをかなえてやることと、自分の姿を変えること」しかできない(→実はいい人なのに、孤独)飛行おにが、このトフ&ビフの思いやり?でハッピーエンドで終わるところが、じんわりと希望をもてるお話でした。