pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

『ディアボロス―悪魔の扉』

 
Gyao!でやってるので、なんとなくみました。
意外と古いフィルム(15年ほど前)。
 
それにしても、訴訟社会・アメリカ。
法曹サスペンスがひとつの映画ジャンルになってますからね。
司法が謎のベールに包まれた日本とはまるで違う。
と、同時に、陪審員制度は、良かれ悪かれ、「一人ひとりが責任をもつアメリカ」市民社会ならではの産物なのだな~としみじみ。
なにかと「政治が悪い」「公務員が悪い」とだけいって人任せの日本社会とは違うなぁ、とまた違うところで感じ入る始末。
(私には、殺人罪が弁護士だけの力で無罪になるというのがどうにも考えにくいですが。要するに、市民社会なのですな)
 
↑しかしまあ、正統な法曹サスペンスかと思ったら、ちょっと毛色が違って…、どちらかというとSFというか、ファンタジーだった。
邦題タイトル『ディアボロス』は比喩なのかと思ったら、まんま、悪魔のお話でした(深読みすれば、やはり比喩なのですが)。
マトリックス』前のキアヌ・リーブスが主役でしたが、この人はやはりファンタジー向きなのか…。
中盤、ようやくお話があやしいことに気付いたのですが(ストーリーの前知識がまったくなかった)、不思議と違和感なし。
ある意味、一ジャンルを築いた俳優ですナ…。
 
しかし、ファンタジーを臭くなくリアリスティックにみせた技は、キアヌよりアル・パチーノが一枚上手。
どこか胡散臭いイタリア系(失礼!)の顔、ハスキーな声という「素」と合わせ、誘惑される?側をなぜかまともな論理で諭すろころ(これは役のセリフ)が、そのまんま、悪魔。
まさに怪優。ゲーリー・オールドマンでも、こんなに癖のある悪役はできないでしょう…。
 
敬虔な牧師の娘が悪魔に誘惑されて未婚の子どもを産む、という設定は冷静に考えるとベタですが、みているときは案外すんなり受け入れてしまうほど、よくできています。
 
クライマックスはハッピーエンドはあり得んな~という予感でどう終わるんだろう…、とハラハラしましたが、案外普通に終わりました。
そして悪魔もけして滅びないところが、なんとなく伝統的で笑えます。