pico_usagi’s blog

つれづれ鑑賞記を引っ越し作業中です!

ギリシャ紀行

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もうずいぶん前のクレタ島
学生だったし、車は乗れないし、ヨーロッパはあんまり路線バス(長距離バス)もなくて、ただ時間ばっかりを費やしていた旅行の思い出。

当時ギリシャはヨーロッパでは珍しく治安のよい国といわれていましたが…。
いまはどうでしょう。

歩いていたら、おじさんに「カザンツァキスの墓に行くの?」といわれ、だれかよく知らないまま、丘の上まで歩いたイラクリオンの風景です。

行けばわかるけど、ギリシャはヨーロッパ(=西欧)じゃない、独特の東方的な雰囲気があります。
どこか、土っぽい。

ギリシャ金融危機が多すぎる公務員のせいで、ギリシャ人は40歳を過ぎたらみんな年金生活をするからだ、なんて冗談のようにニュース番組でいっていましたが…、さもありなん。
まっ昼間からおじさんたちがカフェでずーっと何かを議論している風景もよく見かけたのも事実。
(※ただし、商店の人はよく働きます)
アリストテレスの時代を現代にもほうふつとさせる瞬間でした。
さすが奴隷制度の国。労働軽視はもはや伝統か?

↑冗談はさておき。
テオ・アンゲロプロスの映画も、そんなギリシアでしかあり得ない空気を存分にみせるのが魅力でした。
やたら長いし、良くも悪くもギリシア抒情詩的、ときに見続けるのがしんどいこともありますが…、突然の訃報はやはり残念。
もう高齢だからな~、と思ったら、交通事故だったとか。
よくわからないけど、新作の映画はどこからともなく自然と人々が集まって、そしてまた散っていく、という、いかにもギリシャ人らしい構成だったらしく、みたかったなぁ。

ちなみに、事故のあったピレウスクレタ島へ行く船が出ている港があり、この旅の途中にも立ち寄ったところです。

永遠と一日』が比較的わかりやすく、テッサロニキの冬が素敵。
このときは島嶼部ばかり巡った旅でしたが、アンゲロプロスの映画はむしろ半島の国の物語で、そうした内陸部への憧れが募ったものです。

↑全然神妙ではありませんが。
またひとつ、個性が失われたなぁというのが残念。
ご冥福をお祈りいたします。