着信音を変えたいな~、と思い、ituneで検索。
ヴォーカルがあると恥ずかしいので、クラシックでみていましたが、これがいい!のは案外少ない。
グリ氏の奥さんで長年ボリショイのトップに君臨したベスメルトノワと、この年ロイヤルに移籍したムハメドフが主演。
思えば2000年代前半に地元で「スパルタクス」をみて以来、ボリショイは観劇していない。
なので最近は、いわゆるボリショイスタイルのアクロバティックな舞台から遠ざかっていたので…、なんだか久々感アリ。
最近ボリショイは内紛(というかセルゲイ・フィーリン襲撃事件)があったり、ロシアも脱ソ連化しているので、この「ボリショイらしい」グリゴローヴィッチ・スタイルは(ある意味、ソヴィエト・ファッショ)継承されているのか知りませんが…。
今季久々地元の劇場にやって来るらしく、期待していますが、演目はどうやら「白鳥」の様です(TT)。
話はそれましたが。
ムハメドフの現役時代は観たことはありませんが、恐ろしく身体能力の高い、グリゴローヴィッチ末期を代表するダンサーだろう(※グリ氏はソヴィエト崩壊後の1990年代後半、ボリショイ内紛で一時干されていたらしく、1998年のワシリーエフ芸術監督時代に私は初めてバレエ上演をみたのですが、振り返ればそんな空気は確かにありましたな)、と勝手に考えております。
ほかに、映像でマクミランの『三人姉妹』、『マイヤリング』をみたことがありますが、とにかく身体言語能力が高い。
そして、「イワン~」は際立って…、怖い。
というか、キワモノ的動きが…、すごいのよ。
この演目は生で観たことがなく、ソヴィエト崩壊後に国外で再演されることがあるのか、内容(振付)が内容なだけにないのでは…とも思うのですが。
もちろんムハメドフが初演ダンサーではなく、彼のために振付けられたのではありませんが、彼以外の主演は私には考えられん。
狂気的な逸話に事欠かない実在のイワン雷帝ですが、まさに鬼気迫るダンシング。
踊りがすべて、鋭角的です。
こうした偏執的身体言語は、ロイヤルでの「マイヤリング」にもあるんですが(^^;)、近年こういうタイプのダンサーは少なくなったなぁ…。
そして、メイクが怖い。顔も怖いよ。
ムハメドフ好き嫌いが決まっちゃいそうなDVDですね…。
音楽はオラトリオ版のCDをもっているのですが、今回改めてDVDで聴くと、バレエ編集のほうがややマイルド。
ベスメルトノワはこのとき50歳を過ぎており…、現代のギエムやらなんやらと比べると…、ちょっぴり老け感と体の重さが気になりますが(ペアとしてのバランスも)、確かに50歳にしてこのアクロバティックなリフトに耐えれる身体能力はすごいよ。
ちなみに、以前からうすうすそうだろうな~と思っていたのですが、バレエ素人の姉がたまたま通りかかり、このベスメルトノワが1990年代の原田智子の『僕は薔薇』?というボリショイネタ漫画に出ていたようなことを言っていましたが、たぶんそうなのだろう。やはりこのコンビがネタだったのかも。
私がバレエを観るようになった一つのきっかけも、実はこの漫画なのですが。
このところ、右傾化しているようにもみえるロシアで再演されることはあるのか…?
でも政治思想と関係なしに、観てみたい演目の一つ。
悪役グルブスキー公役のタランダ、2000年ころにプリセツカヤと一緒に来日していた人なら実見したことがあるダンサーですが…、記憶がない。名前が何となく、憶えがあるような。
顔がちょっぴりクマテツ顔に似ていたので…、ふと思ったこと。
観てみたいなぁ…。